窃盗(万引き)

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窃盗の加害者となったら

窃盗の加害者となったら

窃盗は逮捕も窃盗も滅多にされないタイプの犯罪です。
窃盗で不起訴を目指すには被害者との示談がそれなりに重要となります。

窃盗は士道法律事務所の受任事件の中で三番目に多い罪名で、全体の約10.7%を占めます。
過去の解決事例においては、店舗での万引き、財布・鞄・現金の置き引き、住居や店舗に無断で立ち入っての侵入盗、勤務先での長期間にわたる現金窃取という横領類似の態様等、窃盗でよくあるパターンが網羅されています。
窃盗の事案では適切確実な示談の成立が今後の人生を大きく左右してくるので、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

窃盗の概要

他人の財物を窃取すると窃盗の罪に問われることとなります。
「窃盗」の態様としては、店舗に陳列してある商品をこっそり持ち去る「万引き」、他人の鞄やポケットから財布やスマホを抜き取る「スリ」、一時的に置かれていたり落として間もない鞄や財布を持ち去る「置き引き」、他人の住居や店舗に忍び入って金目の物や下着等を盗む「侵入盗」、バイト先のレジから現金を少しずつ持ち去る「横領」と同視される態様のものがあります。

窃盗というのは相当に歴史の古い犯罪類型で、おそらくは人類に財産保有という概念が生じたときから存在したであろう、最古の犯罪の一つと言えます。

士道法律事務所に持ち込まれる窃盗の犯行態様は主に以下のものです。

(A)置き忘れて、または落として間もない鞄や財布を持ち去る(置き引き)
(B)店頭に陳列されている商品をこっそり持ち去る(万引き)
(C)職場等で同僚の財布から現金を抜き取る
(D)他人の住居や店舗に侵入して置いてあるものを持ち去る(侵入盗)
(E)他人の自転車を持ち去って自分のものとして使う(自転車盗)
(F)勤務先のレジや金庫から少しずつ現金を抜いていく

窃盗の事案の約3割が置き引きの(A)。
2割少しが(B)の万引きで、(C)(D)(E)が各1割程度、(F)は稀に発生します。
どの類型であるかによって加害者と被害者の関係性(初対面の相手か、元からの知り合いか等)はほぼ決まっており、類型によって示談の難易度等も変化します。

窃盗に関するデータ

加害者・被害者の属性

加害者の性別は男性が約61.5%、女性が約38.5%。
被害者の性別は男性が約34.1%、女性が約34.1%、法人(会社)が約31.8%。

交渉拒否率

約20.5%

被害者の連絡先開示がなされず、交渉開始自体が不可能なのは5件に1件程度の割合です。
万引きや置き引きで窃盗被害に遭った物自体が被害者の手元に戻っている場合は交渉拒否の確率が高くなります。

示談成立率

約69.2%(交渉可能な事案では約87.1%)

窃盗事件全体の示談成立率は約69.2%です。
一方、交渉拒否のパターンを除いて、士道法律事務所の弁護士が相手方と交渉を開始できた場合の示談成立率は約87.1%です。

処分内訳(不起訴率)

非事件化 約0%
不起訴 約86.8%
略式 約10.5%
公判 約2.6%

窃盗事案は不起訴、すなわち「前科が付くことなく終結」の割合が極めて高く、全体の約87%を占めます。
窃盗は示談成立率が全体平均を下回る低めの数字が出ていますが、その割には不起訴率が高いという特徴があります。
つまり
「示談不成立でも不起訴になっているケースが約17.6%も存在する」
ということを意味します。

その理由については、

  • 捜査機関において窃盗は比較的軽微な犯罪と捉えられている
  • 万引きの場合は被害者が交渉自体や示談を拒む確率が高い
  • 被害品の買取や返却がなされていればプラスの事情となる

といったところが挙げられます。

示談の重要性

示談の重要性

窃盗は、示談成立率が全罪名平均を下回っており、やや示談が成立しにくい類型です。
その一方で、「示談不成立でも不起訴に持っていけるケースが多い罪名」でもあります。

ただし、窃盗の示談を軽視するのは危険です。

示談が成立していなくても不起訴が期待できるのは、基本的には「万引き」の類型で、被害品の買取や返却がなされているパターンです。
犯行直後にこれらがなされていないケースにおいては、示談交渉の過程で被害品の買取等を打診しなければなりません。

また、窃盗の中でも万引きは常習性・反復性が高い類型であり、高確率で前科前歴や余罪が存在しています。
示談が成立しなかった場合、前科・前歴や余罪の存在から起訴が選択される危険性が高まります。
そのため、まずはきちんと示談を目指し、示談が成立しなかった場合には次善の手を講じていくのが重要となります。

窃盗の固有の特徴

態様によって被害者の属性がほぼ固定化されている

冒頭で紹介した6つの主な類型、
(A)置き忘れて、または落として間もない鞄や財布を持ち去る(置き引き)
(B)店頭に陳列されている商品をこっそり持ち去る(万引き)
(C)職場等で同僚の財布から現金を抜き取る
(D)他人の住居や店舗に侵入して置いてあるものを持ち去る(侵入盗)
(E)他人の自転車を持ち去って自分のものとして使う(自転車盗)
(F)勤務先のレジや金庫から少しずつ現金を抜いていく
それぞれによって被害者の属性に際立った偏りがあるため、交渉を始める前から示談の成否その他の展開が予想できます。

例えば、
(A)ほぼ確実に知らない相手、交渉開始の可能性大、示談成立の可能性大
(B)法人か個人商店かで対応が変わる、交渉拒否の可能性大、示談は滅多に成立しない
(C)確実に知っている相手、交渉は難航・長期化する傾向、示談の成否は半々
(D)ほぼ確実に知らない相手、被害者が感情的になりやすい、示談成立率は並
(E)交渉拒否率が高いが相手方がそもそも怒っていない可能性が高い
(F)確実に知っている相手、窃取額+αを一括で容易さえできれば示談は成立する

もちろんこれは各類型の大まかな傾向に過ぎず、示談交渉においてはそれぞれの類型に応じて注意すべきポイント、どのあたりで線引きをするかが変わってきます。
このあたりについては法律相談の際に具体的にお話することも可能です。

不起訴率が他の罪名と比べて高い

示談はまとまりにくいが、示談がまとまっていなかったとしても不起訴となる可能性は高い、というのが窃盗の特徴です。

ただしこれは
「士道法律事務所では窃盗事案の各類型に応じた正解ルートを把握していて、そのルートを踏み外さないようにきちんと必要な手を講じているから」
というところもあります。

決して、
「窃盗は示談しなくても不起訴になりやすいから何もしなくてOK」
ではありません。
万引き事案を中心に、示談を成立させづらいという現実の事情があることを把握した上で、示談ができないとしてもどのような交渉を持ちかけていくか、示談交渉がうまく行かなかったときは次にどのような手を相手方や依頼者に提案するか、必要な手をきちんと講じた上で「意見書」にどのようなことを記載して検察官に不起訴処分を促すか。
こういうことを丁寧に行っているからこそ、士道法律事務所では高い不起訴率を誇っているというところでもあります。

窃盗の解決事例

窃盗は当事務所の中でも取り扱いの多い罪名の事案です。
過去の解決事例は

にて紹介していますので、必要に応じてご確認ください。

Q&A

窃盗の示談金の相場はどのくらいですか?

被害額に慰謝料を加えた金額が目安となります。
万引きの場合、被害品の代金に加えて数万円程度の慰謝料を支払うケースが一般的です。
ただし、店舗によっては示談に応じない方針を取っているところもあります。その場合は、被害弁償のみを行い、不起訴を目指すことになります。

被害額が少額でも逮捕されますか?

被害額が少額でも、現行犯逮捕されることはあります。
万引きの場合、店舗の従業員や警備員に発見され、その場で警察に引き渡されるケースが典型的です。
ただし、住所や身元がしっかりしていれば、取調べ後に釈放されることが多いです。

前科がある場合、どうなりますか?

前科がある場合は、初犯の場合と比べて処分が重くなる傾向があります。
特に窃盗の前科がある場合や、執行猶予期間中の場合は、起訴されて実刑となる可能性が高まります。
前科がある方でも、示談の成立や被害弁償の状況によっては不起訴や略式起訴で終わることもありますので、まずはご相談ください。

後日逮捕されることはありますか?

あります。防犯カメラの映像から身元が特定され、後日逮捕や任意出頭を求められるケースがあります。
現場で発覚しなかったからといって安心はできません。後日警察から連絡があった場合は、早めに弁護士にご相談ください。

構成要件・刑罰・条文

【刑罰】

10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金

【条文】

第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

刑法

https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045

弁護士 飯島 充士 Iijima Atsushi

執筆者

士道法律事務所 Shidoh Law Office

弁護士飯島 充士 Iijima Atsushi

プロフィール

  • 生年月日:1979年1月
  • 特技:空手(和道流初段)
  • 趣味:熱帯魚の飼育、温泉旅行
  • 座右の銘:「人間万事塞翁が馬」

経歴

  • 名古屋大学、南山法科大学院を卒業後、司法試験に合格
  • 岐阜での司法修習を経て、大阪弁護士会に登録
  • 弁護士法人大江橋法律事務所で弁護士業務の基礎を学ぶ
  • 同事務所退所後、岡田和義法律事務所に移籍
  • 岡田和義弁護士の引退に伴い、士道法律事務所を設立
  • 2026年3月 弁護士法人 士道 設立

所属

  • 大阪弁護士会
  • 大阪弁護士会 交通事故委員会
  • 大阪弁護士会 遺言・相続センター運営委員会
  • リーガルアクセスセンター(LAC)登録弁護士

大阪本部 06-6365-7650

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