刑事事件化する前に解決したい

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事件化前解決が可能なケース

刑事事件化する前、すなわち「警察による捜査が開始する『前』」に事件を解決させてしまうことができるケースとしては主に以下の二種類があります。

①事件前から加害者と被害者が知り合い
②風俗店(グレーゾーン店舗含む)でのトラブル

それぞれ具体的に解説していきます。

知人同士のトラブル

加害者と被害者が事件前からお互いのことを知っていて、連絡先も把握している(あるいは共通の知人を介して容易に連絡先を把握できる)、というケースです。
典型事例としては以下のものが挙げられます。

・同僚や知人への不同意わいせつ、性交等
・勤務先での窃盗、横領、背任

不同意わいせつ、不同意性交等のケースは、
(A)被害者が上司に相談するパターン
(B)被害者が直接加害者に示談を持ちかけてくるパターン
の二種類にさらに分類されます。

(A)の場合はそのまま普通に刑事事件化することもあれば、会社が仲立ちとなって刑事事件化することなく解決させられることもあります。

(B)の場合は被害者の方がある程度示談に前のめりになっているので、早めに弁護士に相談して対応さえ間違えなければ刑事事件化することなく解決できる可能性が高くなります。

 

窃盗、横領、背任のケースは、
(A)勤務先が大規模で手口が複雑なパターン
(B)勤務先が小規模で手口が単純なパターン
の二種類にさらに分類されます。

(A)の場合は刑事事件化しないこともそこそこありますが、主に金銭面の条件が折り合わず(加害者が実被害額すら用意できない)、ほぼ確実に民事訴訟に発展します。

(B)の場合はほぼ100%が警察に被害を申告する前に加害者本人に弁償を打診してくるので、被害額+αを親戚から借金する等で用意することさえできればまず刑事事件化前に解決できることになります。

 

刑事事件の示談交渉においては、
「被害者の連絡先を開示してもらう」
というところが第一のハードルとなるので、連絡先を把握できている・容易に把握できるこれらのケースはその点は最初からクリアできているということになります。

風俗店でのトラブル

風俗店や隠れて性サービスを提供しているメンズエステ店で禁止行為(盗撮、お触り、性行為等)に及び、これが店に発覚して店から「金を払え」と詰められている、というケースです。
典型事例としては以下のものが挙げられます。

・デリヘルでの本番行為や盗撮行為
・メンズエステでのお触りや抜き強要

 

デリヘル(箱ヘル含む)のトラブルの場合、刑事事件化することはほぼありません
刑事事件化させると事情聴取等で店の営業に多大なマイナスが発生するし、被害者であるキャストは身バレに強い拒否反応を示すからです。
したがって、よほど下手を打たない限り示談はできるし、警察沙汰になることも基本的にはないのですが。

ただ、素人である客(加害者)が直接示談した場合、ほぼ100%確実に不完全で不十分な示談となります。
なぜなら、店が売上の大半を徴収するというビジネスモデルが成立するのは
「いざトラブルが起きたときには店がキャスト(女の子)を守る」
という建前があるからで、トラブルが起きたら必ず店が前面に出てきます。
もし店がトラブルをキャストに丸投げするようであれば、そんな店はキャストからどんどん見放されていくでしょう。
ビジネスの存続自体に関わってくるので、絶対にキャスト本人ではなく店が出てきます
そして示談書を作ってもらえたとして、本来は「加害者とキャスト(女の子)の示談書」という体裁になっていなければいけないところが、十中八九「加害者と店の示談書」という形になっています。
これでは刑事上においても民事上においても示談書が効力を発揮しません

 

グレーゾーンのメンズエステの場合、性的サービスの提供を売りにしているキャストに当たったのであれば、抜きやお触りがあったとしても特に問題にはなりません。
キャストがその行為に同意して、何ならオプション料金を受け取っているからです。

ただし、以前その店で性的サービスを受けられたからといって不用意にお触り等をするとトラブルに巻き込まれます
なぜなら、全てのキャストが性的サービスを許容・許諾している保証はどこにもなく、純粋に非性的マッサージだけを行う店だと考えて入店している新人キャスト等が混在している可能性があるからです。

風俗店と違い、メンズエステの場合は店が客との示談を取りまとめようとすることはありません。
もちろんメンズエステでも「店がスタッフを守る」という発想はありますが、これはあくまで普通の会社が従業員を守るというのと同レベルの話だからです。
したがって、スタッフが胸や尻を触られた、手コキを要求されたといったトラブルが起きたらあっさり警察に通報してきます。
この場合は通常の刑事事件、刑事示談交渉として進んでいきます。

もっとも、回春エステのように店ぐるみで違法な性的サービス提供を行っているような店の場合は話が全く変わってきます
このパターンのときは、店の方としても警察に踏み込まれたら困ってしまうので、店主導で比較的穏当に示談をまとめようとしてくるか、場合によっては店の方から示談を辞退して警察沙汰にもしないと言ってくることもあります。

事件化前解決のメリット

前科も前歴もつかない

前科も前歴もつかない

「前科」というのは、刑事事件を起こして有罪判決を受けた履歴のことです。
実刑でも、執行猶予判決でも、略式起訴でも、刑罰を受ければ前科が付きます。
前科が付くと国家資格の取得や更新に制限が生じたり、特定の職業に就くことができなくなったり、海外渡航に制限が生じたりします。

「前歴」というのは、刑事事件を起こして有罪判決までは受けず、ただ警察署での取り調べを受けた履歴のことです。
取調べは受けたけれども不起訴となった場合、示談の成立その他の事情から検察官送致がなされず終わった場合がこれに当たり、前科は付きませんが前歴は残ります。

前科や前歴は捜査機関のデータベースに半永久的に記録され、もしまた何か違法な行為に及んだときは前科や前歴が参照され、前科や前歴があれば刑事処分や刑罰が重くなります。

刑事事件化する前に解決するということは、警察の捜査すら始まる前に事件を終わらせてしまうということになるので、前科はもちろん前歴すら回避することができるということになります。

逮捕・勾留の回避

何かの刑事事件を起こして一旦現場から逃走した場合、その瞬間から
「警察が自宅に来て逮捕されるかもしれない」
「逮捕されたら家族や仕事はどうなるのか」
という恐怖に苛まれ、消えない不安を抱えたまま日々の暮らしを送ることとなってしまいます。

しかし、刑事事件化するまでに示談により事件を解決できるのであれば。
警察の捜査が開始する前に事件を解決してしまうことになるのですから、警察や検察はその事件が起きたこと自体を把握することがないということになります。
捜査機関が事件を認識することすらないのですから、逮捕・勾留といった身柄拘束処分が生じる事態は絶対に発生しないということになります。

もちろん、示談しても被害者が約束を反故にして警察に被害申告を行うという事態も一応考えられはします。
万が一そのような事態が起きたとしても、弁護士に依頼してちゃんとした示談書・合意書を作成していればそこまでの心配は必要ありません。
例えば士道法律事務所の合意書(示談書)にはいくつかのテンプレートが存在しており、刑事事件化前の合意書(示談書)のテンプレートには
「この示談成立を受けて被害者は被害届を提出しない。仮に被害届を提出したとしてもこれを速やかに取り下げる」
といった条項が入っているからです。
もし示談をした後に警察から何か連絡が来たとしても、ちゃんと示談が成立していることを説明して合意書を提示すれば、そこから改めて逮捕・勾留に至ることはまずないということになります。

周囲に伏せたまま解決

事件の発生を捜査機関が把握して、逮捕・勾留の措置が取られた場合。
自宅に帰ることも勤務先に出勤することも不可能となります。
つまり、家族には100%確実に、勤務先には家族が上手いこと誤魔化してくれない限りほぼ確実に刑事事件の当事者となったことがバレます

捜査機関が逮捕や勾留までの必要はないと考えたなら任意での取調べとなるので、帰宅や出勤が不可能となるまでの事態には至りません。
もっとも、この場合であっても警察署での任意の取り調べを終えて帰宅する際には基本的に身元引受人が求められ、身元引受をお願いした家族や勤務先の同僚や上司には刑事事件の当事者となったことがバレます

刑事事件化する前に示談で解決することができれば、こういったリスクは限りなくゼロに近付けることができます。
勤務先はもちろんのこと、場合によっては同居の家族にも事件のことを秘密にしたまま事件を終わらせることも可能となるのです。

事件化前解決のデメリット

刑事事件化する前に示談で解決することはメリットの方が圧倒的に大きいのですがデメリットも一応存在しており、それは
「被害者に足元を見られて示談の条件が不利になる可能性がある」
ということです。

刑事事件化するかしないか、すなわち被害届を出すか出さないかという選択肢は基本的に被害者(相手方)の手の内に握られています。
そして、被害者は自分がその命綱を握っていることも、加害者がその命綱を取り戻すために示談を申し出てきていることも理解しています。

つまり、被害者は
「被害届を出されたくなかったらもっと示談金を上積みしろ」
という手を簡単に取れるということです。

もっともこれは考えようでもあって、被害届をまだ出していないということは、
「被害届を出したくない、出せない」
という理由があるからだとも言えます。

事件前から加害者・被害者が知り合いのパターンであれば、
「被害は嫌だけど刑罰を与えるほどでは……」
「警察沙汰にして周囲から叩かれるのは……」
ということもあります。

風俗店トラブルのパターンであれば、
「キャストを守る姿勢を見せることは大事」
「しかし店に警察が立ち入るのは困る」
ということもあります。

また、被害届がまだ出されていないというのは単なるラッキーに過ぎないのですから、
「どうしても刑事事件化前に解決したい!」
という思いが強いのであればがんばって示談金を用意すればよいですし、
「早期解決希望だけど大金を積むのはちょっと」
と思うのであれば被害者の提示した条件を蹴って自首等すれば通常の流れに戻っていくだけなので、そこで改めて適正な示談を目指せばよいとなります。

今はどういう局面、どういう状況なのか。
示談の条件はどのように設定すべきなのか。
無理にでも示談をすべき状況なのか否か。
士道法律事務所の無料法律相談をお申込みいただければ、それぞれのパターンや場面に応じた的確で具体的なアドバイスを回答いたします。

士道法律事務所の法律相談

士道法律事務所の法律相談

士道法律事務所は刑事事件だけを取り扱う弁護士の事務所です。
刑事事件の中でも被害者との示談交渉が問題となる事案にのみ対応しているという非常に珍しい専門特化型の法律事務所です。

一般的な民事事件は一切携わっておらず、刑事事件の示談交渉という限られた分野のみに専念しているため、この特定条件下の事案においては相当な強さを発揮します。

刑事事件と一概に言っても罪名は多数あります。
同じ罪名でも各事件ごとに加害者・被害者の立場や属性は全く異なります。
それぞれの事案で犯行態様の細部も当然に違っています。
しかし、士道法律事務所は示談交渉が問題となる刑事事件しか受任しないため、「刑事事件の示談交渉」について極めて多くの過去解決事例を蓄積しています。

いかにそれぞれの事件の当事者や態様が異なるとはいえ、そこには必ず偏りや傾向といったものが生じます
刑事示談交渉だけを扱っているとその偏りや傾向が見えてきて、人の行動パターンもある程度限られた有限のバリエーション内に収まることが理解できるようになるのです。

刑事事件を起こして示談を検討している方は士道法律事務所にご相談ください。
法律相談は初回1時間無料、相談だけなら特段の費用は発生しません。

他の法律事務所との比較を行っていただいても全く問題ありません。
むしろ、他の法律事務所の法律相談も受けてみることで士道法律事務所のレベルの高さを体感いただけるものと確信しています。

Q&A

被害届が出る前に示談できますか?

被害届が出される前でも示談交渉を行うことは可能です。
被害者の連絡先がわかっていれば弁護士から示談の申し入れを行います。
被害届の提出前に示談が成立すれば刑事事件化を回避できて様々なメリットが発生します。

自首した方がいいですか?

自首により有利な情状が得られる一方で、確実に刑事事件化するというリスクもあります。
自首すべきかどうかは状況に応じて判断すべきで、ケースバイケースとなります。
自首を検討されている場合は事前に弁護士にご相談いただくことをお勧めします。

刑事事件化前でも相談できますか?

刑事事件化する前でも相談は可能です。
ただ、「●●をしたけど警察に捕まるのか不安です」といったお問い合わせの場合、相談者に漠然とした不安があるだけで確定した情報が何もないため、弁護士の回答も曖昧で抽象的となってしまうので、「何か具体的な問題が起きてから改めてお問い合わせください」とお伝えしています。
一方、警察がまだ関与していなくても被害者と連絡が取れるケースは、示談により刑事事件化前の解決の見込みがあるので早めの法律相談をお勧めします。

加害者が直接被害者と交渉してもいいですか?

全くお勧めしません。
加害者本人や家族からの連絡は被害者を委縮させたり怒らせたりして、その後に弁護士に依頼されても加害者本人らによる先の交渉が障害となることがあります。
仮に示談できても不十分な内容であることがほとんどなので、弁護士を通じて正しく示談交渉を行うことをお勧めします。

弁護士 飯島 充士 Iijima Atsushi

執筆者

士道法律事務所 Shidoh Law Office

弁護士飯島 充士 Iijima Atsushi

プロフィール

  • 生年月日:1979年1月
  • 特技:空手(和道流初段)
  • 趣味:ドライブ、ショッピング、漫画・アニメ
  • 座右の銘:「人間万事塞翁が馬」

経歴

  • 名古屋大学、南山法科大学院を卒業
  • 2009年9月 司法試験合格
  • 岐阜において司法修習(新63期)
  • 弁護士法人大江橋法律事務所に入所
  • 2012年7月 士道法律事務所を設立
  • 2026年3月 弁護士法人 士道を設立
  • 2026年8月 名古屋支部を設立

所属

  • 大阪弁護士会

大阪本部 06-6365-7650

名古屋 052-526-6609

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