不起訴で前科回避

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前科を回避するために

日本の刑事裁判の有罪率は99.9%。
起訴されればほぼ確実に有罪判決を受けて前科が付きます。
つまり、前科を回避する現実的な手段は、

  • 被害届が出る前に刑事事件化そのものを防ぐ
  • 刑事事件化してしまった後は不起訴を目指す

この二つしかないということになります。

不起訴とは

不起訴とは

不起訴というのはその名の通り
「起訴しない」
という処分のことで、起訴の反対概念と考えてもらえれば結構です。
重要なのは
「起訴されてしまったのか、それとも不起訴で済んだのか」
ということなのであまり厳密に考える必要はないのですが、不起訴には不起訴とした理由ごとにいくつかの種類があります。

不起訴処分の種類

嫌疑なし 被疑者がその事件の犯人でないことが明確であったり、そもそも犯罪が成立しないというケースで被疑者を不起訴とする場合。
嫌疑不十分 被疑者がその事件の犯人であることの疑いはあるが、刑事裁判で有罪判決を得るのに十分な証拠がないケースで被疑者の起訴を断念する場合。
起訴猶予 被疑者がその事件の犯人であることが明確で、刑事裁判で有罪判決を得るのに十分な証拠もあるが、被疑者に有利な諸々の事情も考慮して起訴を見送る場合。

起訴猶予と嫌疑不十分の違い

嫌疑不十分と起訴猶予の主な違いは、
「有罪の立証に持っていけるだけの十分な証拠があるかないか」
ということです。
もっとも、証拠の有無や内容といったものは被疑者側で何かコントロールができるような事柄ではありませんし、単に
「どういう理由で検察官はその事件を不起訴としたか」
という分類に過ぎません。
言ってみれば検察庁内部のラベリングのようなもので、どちらがいいといったものではありませんし、不起訴処分の価値や性質に違いが出てくるわけでもありません。

なお、不起訴処分というのは
「今後絶対にその事件についてその被疑者を起訴しない」
という確定した処分を意味するものではなく、
例えば嫌疑不十分で一旦不起訴となっても新たな証拠が出てきた等で改めて検察官が起訴に踏み切ることもありますし、起訴猶予で一旦不起訴となったけれども約束した示談金が支払われなかったとか、検察審査会の審査結果を受けて起訴することになった、ということもあります。

前科がつくとどうなるか

前科がつくとどうなるか

前科が付いたからといって、その事実が官報のようなもので世間に公表されるといったことはありません。
大半のケースは報道もされませんし、前科持ちとなったことが勤務先や学校に知られることも基本的にはありません。
ただし、一定の場面で前科が付いたことによる不利や悪影響が生じることはあります。

再犯に及んだ時の影響

前科が付くことの最大のマイナス影響は、
「次にまた何か罪を犯したときに処分が重くなる」
ということです。
前科(有罪判決を受けた履歴)や前歴(不起訴で有罪判決は受けなかったが警察の取り調べを受けた)は捜査機関のデータベースにしっかりと記録されており、警察官が捜査を行うときは必ずこの前科前歴を照会します。
そして、検察官はこの前科前歴も踏まえて被疑者の処分を決めます。

処分や刑罰は基本的にランクアップしていくものだと考えておいてください。

最初は不起訴で許してもらえた。
二度目は略式起訴の罰金で済んだ。
三度目は公判請求で執行猶予がついた。
四度目は実刑で刑務所に入ることになった。

前科が付くとこのステップが一つ前に進む、つまり
「『次』の余白が一つなくなる」
ということを意味します。
これが前科の最大のデメリットです。

「ほとぼりが冷めたらまた悪事を働こう」
などと考える人はそうそういないとは思いますが。
それでも自動車の運転操作を誤って人を撥ねてしまったとか、前後不覚になるほど酒に酔って暴力行為やわいせつ行為に及んでしまったということもあります。

このように言えば前科回避の重要性がイメージしやすくなるのではないかと思います。

資格・免許への影響

特定の資格や免許は前科が付くことで失効や更新拒絶といった処遇を受けることがあります。

対象資格 ①資格を制限する刑
②資格制限の期間
効果 根拠となる法律
医師 ①罰金以上の刑 1.免許を与えないことがある
2.免許の取り消し又は3年以内の医業の停止をすることができる
医師法4条3号、7条1項
保健師、助産師、看護師、準看護師 ①罰金以上の刑 1.免許を与えないことがある
2.免許の取り消し又は3年以内の業務の停止をすることができる
保健師助産師看護師法9条1号、14条1項・2項
歯科医師 ①罰金以上の刑 1.免許を与えないことがある
2.免許を取り消し、又は期間を定めて業務の停止を命じることができる
歯科医師法4条3号、7条1項
獣医師 ①罰金以上の刑 1.免許を与えないことがある
2.免許を取り消し、又は期間を定めて業務の停止を命じることができる
獣医師法5条1項3号、8条2項3号
薬剤師 ①罰金以上の刑 1.免許を与えないことがある
2.免許の取り消し又は3年以内の業務の停止をすることができる
薬剤師法5条3号、8条1項2号・3号
学校の校長、教員 ①禁錮以上の刑 なることができない 学校教育法9条1号
一般職の国家公務員 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了まで
1.官職に就く能力を有しない
2.受験することができない
3.失職する
国家公務員法38条1号、76条
地方公務員 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了まで
1.職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない
2.職を失う
地方公務員法16条1号、28条4項
一級建築士 ①禁錮以上の刑、建築士法に違反し又は建築物の建築に関する罪を犯し罰金の刑②刑執行終了後5年 1.免許を与えない
2.免許の必要的取消し
建築士法7条2号・3号、9条1項
取締役、監査役、執行役 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了まで
なることができない 会社法331条1項4号、335条1項、402条4項
宅地建物取引業者 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後5年
1.免許をしてはならない
2.免許を取り消さなければならない
宅地建物取引業法5条1項5号、66条1項1号
宅地建物取引士 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後5年
1.登録を受けることができない
2.登録を削除しなければならない
宅地建物取引業法18条1項6号、68条の2第1項1号
建設業者 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後5年
1.許可しない
2.許可を取り消す
建設業法8条7号
古物商 ①禁錮以上の刑、又は古物営業法31条に規定する罪若しくは刑法235条等に規定する罪の罰金以上の罪②刑執行終了後5年 1.許可しない
2.許可を取り消すことができる
古物営業法4条2号、6条
警備業者・警備員 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後5年
1.警備業を営んではならない
2.認定を取り消すことができる
3.警備員となってはならない
警備業法3条2号、14条1項
土地家屋調査士 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年
1.資格を有しない
2.登録を取り消さなければならない
土地家屋調査士法5条1号、15条1項4号
不動産鑑定士 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年
1.登録を受けることができない
2.登録を削除しなければならない
不動産の鑑定評価に関する法律16条3号、20条2号、19条2号
公認会計士 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年
なることができない 公認会計士法4条3号
司法書士 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年
なる資格を有しない 司法書士法5条1号
税理士 ①-1 禁錮以上の刑、
①-2 罰金以上の刑
②-1 刑執行終了5年若しくは3年
②-2 刑執行終了3年
なる資格を有しない 税理士法4条3~5号
社会保険労務士 ①-1罰金以上の刑(社会保険労務士法等の規定により処罰された場合)
①-2 禁錮以上の刑(上記以外の法令で処罰された場合)
②-1刑執行終了後3年
②-2刑執行終了後3年
なる資格を有しない 社会保険労務士法5条4・5号
行政書士 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年
なる資格を有しない 行政書士法2条の2第3号
中小企業診断士 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年
1.登録を拒否しなければならない
2.登録を取り消すものとする
中小企業診断士の登録等および試験に関する規則6条1項、5条4号
通関士 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年
1.許可してはならない
2.許可を取り消すことができる
通関業法6条3号、11条2号
生命保険募集人、損害保険代理店 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年
1.登録を拒否しなければならない 保険業法279条1項2号
管理業務主任者 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後2年
1.登録を受けることができない
2.登録を取り消さなければならない
マンションの管理の適正化の推進に関する法律59条1項2号、65条1項1号
保育士 ①禁錮以上の刑
②刑執行終了後3年
1.保育士となることができない
2.登録を取り消さなければならない
児童福祉法18条の5第2号、18条の19第1項1号

※表は左右にスクロールして確認することができます。

日常生活への影響

たとえ勤務先や友人らに前科のことが知られなかったとしても、
「あなたに前科が付いたこと」
を知っている人、知ることになる人は必ず存在します。

例えばあなたの家族。
前科持ちが身内にいるというネガティブな思いは家族の心に深く残りかねません。
「あんな事件さえなければ……」という気持ちが少しずつ蓄積されていって、それまで良好だった家族関係を破壊してしまうこともあります。

例えばあなたの将来の結婚相手。
自分の子どもが結婚相手を紹介してきたときに相手の身辺調査を行う親もいます。
そこで大切な息子や娘の結婚相手に前科があることがわかったら。
親の立場からその結婚に反対し、結婚の話が流れてしまうこともあるでしょう。

そして何よりもあなた自身。
あなたはあなたの犯した罪、受けた刑罰を誰より詳しく知っています。
自分の前科が周囲に知られてしまうのではという恐怖が拭えなくなったり。
何かで躓いたときに「どうせ前科持ちだから」と卑屈になってしまったり。
周囲の耳目を過剰に意識するようになって孤立を深めていってしまったり。
こんな風にたった一つの前科があなたの未来を暗いものにしてしまうこともあります。

前科を回避するための方法

では前科回避のために一体何をすればよいのか。

警察の捜査が開始する前であれば、刑事事件化する前の解決が最も確実となります。
刑事事件化する前の解決とは何か。
それは
「被害者と示談して被害届の提出を止めてもらうこと」
です。

警察の捜査が開始した後であれば、最終的に検察官が起訴か不起訴かを決める前に有利な事情を積み重ねて不起訴を目指すべきということになります。
一口に「有利な事情」と言っても、年齢や犯行態様のように「今さらどうしようもできないもの」もあれば、「今からでも何とかできるもの」もあります。
また、謝罪文や反省文のように「ほとんど価値や意味がないもの」もあれば、「高い価値や重要な意味があるもの」もあります。

優先度が高いのは
「今からでも何とかできるもの」「高い価値や重要な意味があるもの」となります。
その最たるものが
「被害者と示談して被害者の赦しを得ること」
です。

つまり、被害者が存在する事件であれば、
「被害者との示談を取りまとめること」
が前科回避に最重要であるということになります。

士道法律事務所の示談交渉

士道法律事務所に被害者との示談交渉を依頼した場合の大まかな流れは以下のようになります。

  • 委任契約書や弁護人選任届を作成する
  • 弁護士費用(着手金等)を支払う
  • 弁護士が捜査機関に示談交渉希望の旨を伝える
  • 被害者(相手方)との示談交渉を開始する
  • 被害者(相手方)と合意書を取り交わす
  • 相手方に解決金を支払う
  • 弁護士が捜査機関に示談完了を報告する
  • 一定期間後に検察官に処分結果を確認する

士道法律事務所は刑事事件、それも示談交渉が問題となる事案のみを取り扱うという、専門特化型の弁護士の事務所の中でも特に尖ったスタイルを有する非常に珍しい法律事務所です。
当然所属する弁護士も刑事事件・刑事示談交渉しか取り扱いませんので、刑事事件・刑事示談交渉の能力だけが異様に伸びていくこととなります。

単一分野・単一業務に特化しているため、刑事事件(示談交渉)に関する膨大な過去事例のデータが蓄積されていくことになります。
これらのデータは完全にデジタル化され、事務所内で共有されるデータベースとなっています。

事務所内で共有されるアクセス自由な膨大な過去データがあり、各弁護士は刑事事件しか取り扱わない。
これによって、
「初めて関与する罪名、初見の展開というものがもはやほとんど存在しない」
という状況に至ることとなります。
特異な罪名、態様の事件の相談が持ち込まれた。
やや癖の強い相手方が厄介な要求を述べてきた。
そういうイレギュラーな事態が起きたとしても弁護士の経験に照らして、あるいは事務所内のデータベースを参照すれば過去事例で大体似た内容や状況、交渉経過を辿った事件が見つかるのです。

士道法律事務所では刑事事件の加害者側の示談交渉しか取り扱いません。
したがって、依頼者(加害者)・相手方(被害者)の属性は固定され、それぞれの行動パターンは狭い範囲に限定されてくることとなります。
過去事例をビッグデータとして観察すると、そこには明確な傾向、偏りが見て取れます。
士道法律事務所ではこれをタグ付けして分析し、統計学をベースとした示談交渉を行っています。

これは被害者の行動パターンが単純だとか、機械的に決まった対応を取ればいいとかの話ではありません。

加害者と被害者という固定化された関係がある。
刑法その他の規定で犯行態様は決められている。
罪名に応じた当事者らの属性は限定されている。

これらを前提として、示談の打診があったときに
「とりあえず弁護士の話を聞いてみようか」
と決めた人が
考えること・求めること・嫌がること・譲れないこと
そこには無数の選択肢が存在するのではなく、相当に絞られたバリエーションしか存在し得ない、ということです。

これは普段の生活の人間関係も同じことです。
「この人はこういう性格でこれを好んでこれを嫌がる。だからこうやって仲良くしていこう」
といったことを意識的にでも無意識的にでもやっているはずです。

示談交渉で接触する相手方は基本的に初めて接点を持つ人なので、家族や友人のようにその人の過去の行動を参考にすることはできません。
けれども過去の多数のパターンを分析すれば一定の流れや偏りが存在していることが見て取れ、過去の事例の中に何かしら似た傾向を持つ相手方が存在しています。

それらの過去データを参照しつつ、短期間で被害者との間に良好な関係を築き、円満な流れの中で適切に示談をまとめていく。
士道法律事務所が行っているのはそのような示談交渉です。

示談以外の方法

示談交渉の流れの過程で、

  • 相手方が「示談の意思なし」と交渉自体拒否した
  • 交渉を開始したが条件が折り合わなかった
  • 交渉の途中で相手方と連絡が取れなくなった

といった事態が発生して示談不成立となることもあります。
この場合は示談以外の手段で不起訴や処分の軽減を目指していくこととなります。

    刑事贖罪寄付

    どの弁護士でもまず言及するのが刑事贖罪寄付。

    これは弁護士会に一定額の寄付を行うことで
    「相手方に対する償いはできなかったが、弁護士会を通じて社会に対する償いをして、加害者としても一定の経済的ダメージを負った」
    ということをアピールする手続です。

    この贖罪寄付も処分の軽減に向けたプラスの材料となります。
    ただしそのプラス効果は限定的です。
    例えば示談成立のプラス効果を「10」くらいだとすると、贖罪寄付のプラス効果は「1~2」、その程度の弱いプラス事情でしかないと見ておいてください。
    ただし、この若干のプラスが結果を左右することもあるので無視はできません。

    検察官への意見書

    意見書は、その事件や被疑者に関する有利な事情を弁護士が書面に列挙して、
    「以上から弁護人は不起訴が相当と考える」
    といった意見を検察官に伝えるものです。

    意見書は作成する弁護士の経験や技量によって内容が大きく変わってくることになります。

    「意見書」には弁護人の『意見』が記載されますが、この『意見』自体には何の意味も効果もありません。
    立場上、弁護人が述べる『意見』は
    「被疑者に不起訴その他有利な処分を」
    というものに決まっていますし、単なる弁護人の『意見』に検察官が恐縮平伏し処分方針を変えることなどあるわけがないからです。

    意見書の重要なポイントは『意見』ではなく、
    検察官が不起訴にしたくなるような材料の提示
    にあります。

    士道法律事務所がこの材料(事実)の中で最も重要視しているのは
    「相手方(被害者)との交渉経過」
    です。

    要所だけ簡単に述べると、

    ・相手方からの過剰な要求があった
    ・相手方が事件に関して嘘を吐いた
    ・相手方が弁護士の連絡を無視した

    交渉過程でこういった出来事が起きた場合はこれを意見書の中で具体的に報告します。
    これを受けて検察官が
    「そんな出来事があったのか。では示談はできていないようだが不起訴にしておくべきか」
    と考え、実際に不起訴となったケースが複数存在しています。

    意見書に記載すべきは
    ・被疑者にとって有利となる事情
    で、かつ
    ・検察官が把握できていない事情
    です。

    捜査資料その他で検察官が把握している事情、
    ・犯行に至る経過や態様
    ・被害の程度が小さいこと
    ・被疑者の年齢が若いこと
    ・被疑者に前科前歴がないこと
    こんなことは意見書に書く必要がありません。

    記載すべきは検察官が把握できていない事情、
    ・刑事贖罪寄付を行ったこと
    ・再犯防止カウンセリングの受講
    ・事件を受けて被疑者が失職したこと
    ・親族による監督と具体的な再犯防止策
    といったものであり、中でも重要なのが前述の

    事件発生後の被害者の問題行動

    ということです。

    士道法律事務所では受任したほとんどのケースで示談を取りまとめてしまいます。
    そのため意見書が必要となる場面は決して多くはありません。
    しかし、示談が成立しないとなった場合には要点を的確に押さえた意見書を作成・提出しており、示談不成立となった事案でもうち半数程度は最終的に不起訴に導いています。

    その他特殊な手段

    士道法律事務所の示談成立率は、

    受任事件全体で言えば約75%
    相手方と話すことができた事案なら約90%

    となっています。
    これは

    ・交渉自体拒否の相手方を翻意させる方法
    ・過大な金額を求める相手方を説得する方法
    ・性格タイプごとに適切に話を持っていく方法

    を確立しているからです。
    そしてこれらの「難しい事案でも示談をまとめる手法」だけでなく、

    「相手方が示談を拒否した事案を不起訴に持っていく手法」

    もいくつか把握しています。

    当たり前ですが、これはどの罪名どんな事案でも使える万能の魔法のような手ではありません。
    使える場面は限られており、有効に機能させるための条件もかなり厳しいものとなっています。
    ただし、不同意わいせつ・不同意性交等・傷害といった刑罰の重い罪名の事案であったとしても、発動条件さえ満たせば示談不成立でもほぼ確実に不起訴に持っていける、そういう手です。

    ここで詳細は述べられませんが、伏字で一部だけお見せすると以下のような感じです。

    ・被害者が連絡先の開示自体を拒否した
    ・被害者が『示談する気は全くない』と述べた
    ・被害者が明らかに過大な金額を請求してきた

    といった展開局面において、

    ①加害者が●●を持っている
    ②被害者の●●の●●が判明した
    ③被害者が●●という行動を取った

    この①~③のいずれかに該当した場合に示談が成立しないことがほぼ確定したら、

    慎重にタイミングを測って弁護士から●●に●●を行い、これを検察官に意見書で報告する。

    本当に発動条件が厳しいので過去にこれを実行できたケースは少ないのですが。
    適切な場面で正しく使えば
    「こうかはばつぐんだ」
    で、これを使った過去事例は全件で
    示談不成立でも不起訴
    となっています。

    法律相談ではこのあたりも過去の解決事例を挙げつつ具体的にご紹介しています。

    対面謝罪・謝罪文・反省文?

    上で紹介したものとは逆に、
    「他所の弁護士は推奨するけれども士道法律事務所では全く勧めないもの」
    もあります。

    まず加害者本人や弁護人による被害者との面談・直接謝罪

    これを推したがる弁護士は結構多いのですが。
    ほとんどの被害者からすると迷惑なだけです。

    実際の数字で言うと、
    士道法律事務所の過去解決事例約400件のうち、弁護士または加害者本人が示談交渉の過程で被害者と直接対面したのは
    僅か25件程度
    です。
    しかもそのうちの約半分は、
    身柄事件で郵送での合意書取り交わしだと処分期限に間に合わないから
    という理由で弁護士が被害者と会って合意書を取り交わした、というものです。

    この数字から明らかなように、95%以上の被害者は加害者や弁護人から対面での直接謝罪を受けることなど全く望んでいません。
    そんなことをしなくても示談はちゃんと成立しています。

    意味がないだけならまだよいのですが。
    直接謝罪を実行した場合、
    ・被害者側に無用の負担をかける
    ・余計な摩擦が生じかねない
    といったマイナス面、リスクがあります。

    したがって、士道法律事務所は被害者への直接謝罪は必要がない限り極力回避させており、被害者側からの強い要望があって、弁護士の説得を受けても被害者が直接謝罪にこだわる場合にのみ、これを実行しています。

     

    次いで謝罪文・反省文の類。
    士道法律事務所では

    【謝罪文】=相手方宛の謝罪の手紙
    【反省文】=検察官宛の反省の手紙

    と定義しています。
    この二つも全く無意味・無用のものです。

    まず謝罪文から。
    第一に、被害者は加害者の謝罪の手紙などどうでもいいと考えています。
    そんなものを渡されて読んでくれと言われても気持ち悪いと感じるだけです。
    第二に、被害者の琴線に響くような名文を書ける加害者など存在しません。
    何度か謝罪文の添削を求められたことがありますが、どれもスカスカの内容で薄っぺらく、自己弁護と言い訳の文言がそこかしこに散りばめられています。
    第三に、何が被害者にとっての地雷になるかわかりません。
    どれだけ気を配って言葉を選んでも、弁護士が添削しても、最近ならAIに書いてもらったとしても、個別の被害者を満足させる理想の謝罪文を書くことは不可能です。

    次に反省文。
    加害者からすると、反省しているという気持ちをしっかり検察官に伝えてわかってほしいということなのでしょうが。
    検察官からすれば、反省の程度を手紙などで判断すべき理由がありません。
    反省の程度が知りたいのであれば、取調べで被疑者を呼び出せば済む話なのですから。
    意地悪な質問を投げかけたり論理的に詰めたりすれば被疑者の底はすぐに知れ、検察官は自分の目で直接反省の程度を観察することができます。

    謝罪文にせよ反省文にせよ、加害者はやたらとこれを書きたがります。
    なぜならそれがお手軽で楽でお金もかからない手段だからです。

    謝罪文や反省文に意味や価値があると信じている加害者は結構います。
    しかし被害者や検察官の立場で見たときに、

    面前で直接詰められることのない安全な場所で、
    時間その他の制限もなく自由に書くことができ、
    コストは紙や郵券程度でほぼ無料と言ってよく、
    ちょっと手や頭が疲れる程度の労力で仕上がる。

    こんなものにどれほどの価値があると言えるのか、という話です。

    謝罪文や反省文など書く暇があったらその時間で隙間バイトでもして解決金を上積みするとか、時間と手間と費用をかけて再犯防止カウンセリングに通うとかした方がよほど有用です。
    安易で楽な方に流れず、手間のかかること、お金のかかること、辛いことに注力してください
    それが被害者への謝罪の気持ちや、検察官への反省の態度を示すことに繋がります。

     

    このように、士道法律事務所では何に意味があるのか、何に価値があるのかということをしっかり考えて刑事事件の弁護活動に当たっています

    当事務所の実績

    士道法律事務所の過去の取扱い刑事事件は

    【前科回避率】 約74.8%

    となっています(2026年8月時点)。
    【非事件化(刑事事件する前に解決)】
    【不起訴(検察官による不起訴処分)】
    の合計件数を終結事件の合計数で割った数字です。

    内訳は
    【非事件化率】 約8.1%
    【不起訴率】 約66.7%
    となっています。

    過去解決事例の罪名ごとの前科回避率や示談成立率は以下の個別ページに記載してあります。
    必要なものを参照してください。

    Q&A

    不起訴処分とは何ですか?

    刑事処分の一つで、「起訴(公判請求、略式起訴)しない」という処分です。
    不起訴処分となった場合は刑事裁判が提起されないので刑事罰を受けることもなくなります。

    不起訴になるには何をすべきですか?

    検察官はその事件に関する全ての事情を考慮して刑事処分を決めます。
    不起訴処分を目指すには「良い事情」と積み上げていくべきで、その中でも最も効果が高いのが「被害者との示談」です。

    不起訴処分は通知されますか?

    不起訴となった場合は検察官から被疑者への通知は特にありません。
    処分が決まる時期に被疑者や弁護人から検察庁に問い合わせます。
    検察庁が被疑者の会社や学校に勝手に処分結果を通知することはありませんが、被害者が処分結果の通知を希望していた場合は検察官から被害者に不起訴処分とした旨が通知されます。

    不起訴の履歴は残りますか?

    不起訴の場合、「前科(有罪の履歴)」はつきませんが、「前歴(捜査対象となった履歴)」は捜査機関内に記録が残ります。
    前科前歴は一般に公開されるものではなく、就職や日常生活に直接影響することはほとんどありません。
    ただし、再犯に及んだ場合には前科前歴が照会され、前歴の存在が次の事件の処分判断に影響する可能性があります。

    不起訴処分が出るまでの期間は?

    事件内容や捜査状況によって異なります。
    身柄事件では原則として勾留期間中(最長23日間)に起訴・不起訴が判断されます。
    在宅事件では明確な期限がなく、数か月~数年かかることもあります。

    不起訴になる確率はどのくらいですか?

    罪名によってバラつきがありますが、士道法律事務所の過去事例における不起訴率は約66.7%、刑事事件化する前に解決した非事件化率(約8.1%)と合わせると約75%の割合で刑罰の回避に成功しています。
    略式起訴率は約14.5%、公判請求率は約8.3%です(2026年8月時点)。

    弁護士 飯島 充士 Iijima Atsushi

    執筆者

    士道法律事務所 Shidoh Law Office

    弁護士飯島 充士 Iijima Atsushi

    プロフィール

    • 生年月日:1979年1月
    • 特技:空手(和道流初段)
    • 趣味:ドライブ、ショッピング、漫画・アニメ
    • 座右の銘:「人間万事塞翁が馬」

    経歴

    • 名古屋大学、南山法科大学院を卒業
    • 2009年9月 司法試験合格
    • 岐阜において司法修習(新63期)
    • 弁護士法人大江橋法律事務所に入所
    • 2012年7月 士道法律事務所を設立
    • 2026年3月 弁護士法人 士道を設立
    • 2026年8月 名古屋支部を設立

    所属

    • 大阪弁護士会

    大阪本部 06-6365-7650

    名古屋 052-526-6609

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