弁護士コラム

法律相談のコツ

2016.07.20

最近は役所や法テラスで弁護士に無料相談できる機会が増えていますが、役所等の法律相談は30分程度と短いのが普通です。
そこで、今回は効率よく法律相談をするポイントをご説明します。

①関連資料を持参する
具体的な資料があるとないとでは弁護士のアドバイスの正確性が大きく変わってきます。
交通事故なら診断書や保険会社からの文書、労働問題なら雇用契約書やタイムカード、不動産問題なら登記事項や賃貸借契約書、というように、相談内容に関連しそうな資料があれば必ず持参しましょう。

②自分の話は程々に抑える
愚痴のような事情説明が延々と続く相談者は意外と多いのですが、法律相談は本来30分5000円もするものですし、無料相談にも回数制限がありますから、弁護士のアドバイスを十分に聞いて帰らないと非常にもったいないです。
喋りたい気持ちはぐっと抑えて、自分の話は長くとも15分以内に収めましょう。
効果的なのは、
「いつ、誰が、誰に、何をして、どうなった」
「自分はどうしたいのか、何を質問したいのか」
を事前に紙に書いて、相談時に弁護士に渡して読んでもらう方法です。
A4用紙1~2枚に収まる程度で十分で、これを超える場合は無駄な情報が多数含まれていると考えてよいでしょう。
情報が足りていなければ後から弁護士が不足部分を聞いてきますので、あまり何でもかんでも伝えようとしないのが短時間で説明するコツです。

③目の前の弁護士に執着しない
法律相談で思うような回答をしてもらえないことがありますが、そこで食い下がるのは無意味です。
法的に通らない話なら弁護士に食って掛かってもどうにもなりませんし、弁護士によって見解が異なる問題なら自分の力になってくれそうな別の弁護士に依頼を検討すればよいだけの話だからです。
相性もありますし、目の前の弁護士の回答や人柄が自分に合わないと感じたらその相談はさっさと切り上げて、次の弁護士を当たるのが賢明です。

法律相談で問題が解決するかどうかは、相談者が法律相談をどう活用するかにもよります。
法律相談するときは、せっかくの機会を無駄にしないように、これらのポイントに気を付けてみてください。

(『蒼生 2016年7月号』掲載記事)