「交通事故の事件処理の流れを教えてください。」
【回答】
依頼者から交通事故事件処理の委任を受けたら、速やかに交通事故加害者側の保険会社に受任通知を送付します。
これで交通事故被害者が弁護士を付けたことが保険会社に伝わり、以後は弁護士が保険会社との交渉窓口となります。
保険会社は保険会社で交通事故の調査を行い、診断書等から損害額を算出し、示談金額を検討します。
これに対して弁護士側も診断書やカルテを取り寄せる等して分析を行い、過去の裁判例に照らした賠償額を計算します。
このとき、労災が適用されるケースであれば労災の申請手続を取ったり、休業損害の算定のために被害者の勤務先に資料提出を依頼したり、交通事故の後遺症が残るようなケースであれば後遺障害の等級認定やそれに対する異議申立をしたりと、多岐にわたる複雑な法的手続が必要となります。
保険会社の示談金額算出が終わると、具体的な示談のための協議が開始します。
基本的に保険会社は示談金額を低く見積もってきますので、弁護士はこれが適正な額になるよう交渉します。
ある程度話が進めば、弁護士が交通事故被害者に示談内容の説明をして、示談の是非を確認します。
交通事故被害者が納得すれば、示談が成立し、保険会社から賠償金が支払われます。
交通事故被害者が納得せず、保険会社がそれ以上譲歩しなければ、交渉は決裂します。
その後の対応については、訴訟提起するのかどうかを交通事故被害者と検討することとなります。